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幸せいっぱい夢いっぱい←


と、いうわけで頂き物パラダイス♪
雪を照らす月の光の椿様から、200HITのお祝い小説をくださいました><椿ありがとう!!大好きだあああv^皿^v
切ない恋愛系とか、さくらとか美しいよ~><





追記から、頂き物です。





オリキャラ:
九条崇仁(クジョウ タカヒト)
香波さくら(カナミ―)
西園寺理央(サイオンジ リオ)




ヒラヒラと、花びらが舞って


――君のことを思い出した。









校庭に足を踏み入れると、目の端で何かが落ちるのを捉えた。そちらに視線をやると、淡い桃色の花びらが風の中で舞いながら地面に落ちて行く。
立ち止まってそれを見つめていると、愛しい人の顔が浮かんだ。


「....さくら..」
「何ボーッと立ってんのよ!」


呟いたのとほぼ同時に背中をものすごい勢いで叩かれ、思わずバランスが崩れる。誰かは分かりきっていたため、少し不機嫌そうに振り向くと、予想通りの人物が立っていた。
幼馴染みである理央が仁王立ちしてこちらを見ている。

眉を寄せた崇仁の姿に理央は呆れたような表情をした。


「校門のど真ん中で立ち止まってるなんて迷惑よ。人が嫌な顔しながら通り過ぎて行くのが分からないの? まーったくあんたってどんくさいっていうか、周りに関心なさすぎっていうか。もっと注意すべきよ、ったく」
「.........」
「ちょっと崇仁? 聞いーてーんの!?」

「理央は、」


唐突に崇仁が口を開いたので、理央の動きが止まる。
崇仁が続けた。


「散る花びらを見て、何も思い出さないわけ?」


質問の意図が分かって、理央の険しい表情は途端に暗くなった。遊び感覚で殴るために上げていた手を、力なく降ろす。


「....思い出さないとでも、思ってるの?」
「....ちっともそういう素振り見せねぇじゃん」


桜の木を見上げながら崇仁が言い放つと、理央はグッと拳を握りしめた。


「っ...あんたと違って、負オーラ出しまくりじゃ周りに大迷惑だから溜め込んでるのよ!!」


彼女の怒声に崇仁が驚いて目を見開くが、理央は叫び続けた。


「さくらがいなくて寂しいのはあんた一人じゃないのよ! なのに自分一人が一番可哀想な言い方して、まるであたしがちっともさくらのこと気にしてない様な言い方しないでよ!!!」
「そんな意味じゃ―」
「じゃあどういう意味よ!? こっちだって桜の木を見る度にあの子のことを思い出すのよ!! 大声で泣きたくてたまらないわよ!! さくらがいなくなってから人生つまんなくてつまんなくてたまらないわよ!!! あんた一人が寂しがってるわけでも、あんた一人が苦しんでるわけでもないのよ!!! 恋人だったからって周りの人になんと言われようと、あたしはあんた一人が一番可哀想だなんて思ってない!!!」


叫ぶだけ叫んで、涙を目に溜めたまま理央は校庭を走って行く。驚いて立ち尽くしている崇仁の横を『女を泣かせてんじゃねぇよ』『ちょっと! 理央に謝ってよ!』などと野次が飛ぶが、崇仁は構わず小さくなっていく理央の後ろ姿を眺めていた。

現実を、つきつけられたような気がした。

今まで、心のどこかで一番可哀想なのは自分だと思っていた。さくらが死んでからは、自分も死んでしまったような気がして、二度と彼女の声を聞くことも、笑顔を見ることもないと思うと涙が溢れ出して止まらなくて、だから。
最愛の人をなくしてしまった自分が、一番可哀想なのだと、心のどこかで思っていた。

なのに、


『大声で泣きたくてたまらないわよ!!』


あんなことを言われると、もうそうは思えない。


(....理央のことを、考えてなかった、のか....)


自分にとって理央は、さくらとは違う意味であっても、大切なはずだったのに。
よく考えれば、いや、よく考えなくても、さくらが理央にとってとても大切な人だったのは当然だ。当然なのに、まるで彼女は何も気にしていないみたいな言い方をして。


(俺って、あり得ねぇぐらいバカだわ...)




教室に入って真っ先に理央と目が合うが、彼女はキッと自分を睨みつけると、拗ねたようにそっぽを向いた。その姿に困惑した表情を浮かべ、周りのクラスメート達は驚いて二人を交互に見た。
さくらが死んだ後は、彼女が生きていた時以上に仲が良くなった二人だったのに。
朝の騒動をしっている生徒達は崇仁に同情の声をかけ、理央にも慰めの言葉をかける。崇仁は苦笑して応えるが、理央は厳しい表情をしたまま周りの言葉を無視している。


(許されるまで時間かかるな、こりゃ)


はぁ、と崇仁は溜息をついた。

授業中でも後ろから突き刺さるような視線を感じて、崇仁は頭を抱えた。理央を本気で怒らせると本当に面倒だ。自然と機嫌を直してくれることは殆どないし、人に当たることはないが、一日中ピリピリしたオーラをいつも発している。
今回はどう考えても自分が悪いので、崇仁は放課後謝ろうと決心して、突き刺さる視線をなんとか無視した。




部活が終わり、崇仁は時間をかけて着替えてから上履きに履き替えるために下駄箱に足を運ぶ。自分の上履きを掴んでから、左隣にある上履きをみつめる。
もう三ヶ月も置いてある、『香波』という文字がかかれてある上履きだ。学校の方は思い出のために親に預けようとしていたみたいだが、さくらはきっと学校に思い出を残したいだろうということでずっとここにある。


「...俺、どうすればいいんだよ、さくら...っ」


上履きを落として座り込み、崇仁は膝に顔を埋めた。
こんな時に、さくらがどういうかなんて、容易に想像できる。


『あたしはもういないんだよ、崇仁。二度と崇仁に会うことはできないんだよ。あたしはもう過去の人間だから、理央のことを大切にして、前を向いて生きて』


(...絶対に言いそうだな...)


ふっと自重気味に笑いを零したが、目の前が歪んで来る。もう、泣いてはいけないと思っているのに。
ぐっと涙を耐えてから崇仁は上履きに履き替えて、外へ出る。驚くことに、校門の側に理央が立っていた。誰かを待っているわけでもなく、ただ静かに、桜の木を見上げていた。

静かに近寄ると、彼女は誰かが近づいてくるのは分かっていても、振り向くことはなかった。
ただ、顔が見える所まで近寄ると、理央は声も出さずに涙を流していた。


「...り、お...」


彼女は何も言わない。
桜の木を見上げて、ただただ涙を流している。

その姿が、不覚にも、とても、とても綺麗だった。


「...あたしだって...」


ポツリと紡がれた言葉に、崇仁がチラリと理央を見た。


「あたしだって、さくらに会いたいよ。毎日学校に来ても、いつまで経っても、さくらの席には誰も座ってないのを見ると、泣きたくてたまらないんだよ」


涙声で言う理央を、崇仁は切なそうに見つめてから、顔を俯かせた。
それから、


「....ごめん」


その言葉に理央がこちらを見る。まだ涙が瞳から溢れ出している。


「あたしを傷つけたことを謝ってんの? それともさくらに謝ってんの?」
「........どっちもだけど、どちらかといえば、お前に」
「どうして?」
「....朝、無神経なことを言ったから」
「崇仁の無神経発言は今に始まったことじゃないじゃん」
「..........」


確かに謝ればすんなりと許してくれる相手じゃないことは分かっていたのだが、桜の木を見上げて、さくらのことを思い出しながら涙を流すその姿を見て、謝らずにはいられなかった。

ぐっ、と理央の拳に力が込められて、彼女は俯いた。
理央? と呼びかけると、彼女はか細い声で話し始めた。


「....らに....たい」
「え?」


ぐぐぐっ、と余計拳に力が入る。


「っ...さくらに会いたいっ!!」


崇仁の目が大きく見開き、理央はいきなり大声を上げて泣き出した。まるで子供のように大声を上げて、目からひたすらに涙がこぼれ落ちる。
泣きながら校門に寄りかかり、足下が崩れて理央は地面に座り込んだ。それでも泣き続ける。


「会いたいよっ....さくらぁあ、ひぐっ、...会いたいよぉ!! どうして、うぐっ、どうして置いてったのよ...っ! なんで、ひくっ、なんであたし達を置いてったんだよっ.....!」


いたたまれなくなって、崇仁も座り込むとギュッと理央を力いっぱい抱き締めた。いつもの理央なら絶対に自分を振り払いながら『何すんのよっ!』と叫んだだろうが、今日の理央は違った。
抱き締められた後に驚いて一瞬声が止むが、またすぐに泣き始めた。


「....会いたいよ、っ...さくらに、会いたいよっ...!」


ひたすら繰り返す理央をより強く抱き締めてから、自分の目からも涙が零れているのが分かった。頬を伝って、理央の頭に雫が落ちる。止めようと、泣いてはだめだと、自分に言い聞かせても涙が止まらない。
溢れ出して、止まらないのだ。


「..っ...!」


目をギュッと閉じて顔を理央の肩に埋める。理央も反応はせずにただ泣きじゃくる。
崇仁は声もなく静かに涙を零し、理央は大声で涙を流す。

二人は、しばらくそのまま涙を流していた。








「....なんだかすっきりした」
「は?」


まだ泣いた跡が頬に残っており、目もまだ赤い理央が言い放った。少し鼻声になっていた崇仁が困惑した表情で彼女を見つめる。
いや、確かにあれだか泣いた後にすっきりしてもおかしくはないんだが。


「さくらがあの場にいたら、どうしてたかな...」
「そもそもさくらがいたら俺達泣いてないんだけど」
「そうじゃなくて、いや、そうなんだけど」


あれ? と考え込む理央を見て崇仁は微笑んだ。


「とにかく、一緒に泣いてくれたと思うけど?」


なんで泣いてるの、って聞きそうだけどな。
そう付け足すと、理央は小さく笑い声を上げた。


「そうだね」











君は残酷だったね、さくら。


俺達を置いて、先に逝ってしまって。


いくら涙を零しても、自分のどこにこんなに水分があったのかと思う程に、涙が流れ続けるんだ。



でも、



それでも俺達は生きて行くよ。


君の死を乗り越えて、真っ直ぐと生きて行くよ。


君のことを一生忘れずに、前向きに生きて行くよ。


君が、そう望んだんだから。

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