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番の木葉と一陣の風

と、言うわけで久々の小説は学アリキャラで曲小説です。元が元なのでアリスとか出ません。
パラレルみたいな感じでお願いします←何をだ
追記から始まります。久々なんで不完全燃焼さが莫大ですが、よろしくお願いしまs((


原曲












カサリ、カサリと、木の葉を鳴らし、青年と女性は歩く。
二人は固く繋いだ手を、離す事無く歩を進めた。まるで、この手だけは離さないと決めているかの様に、それは固く、強く、握りあっていた。

季節は秋。
乾いた木枯らしが吹き抜け、渇いた落ち葉、紅葉一枚。舞い落ちるそれは、彼女の白い手に収まった。
「―綺麗、やね」
そんな言葉を、朱を塗った唇で紡ぐ彼女は、けれど、と。
「赤は、恐いなぁ」
そう呟いて、その葉を足下に、落とした。
その様を男は、黙って見つめている。落ち葉と同じ、赤い色をした瞳で、静かに。


二人は、小さな都の生まれだった。首都から離れた村で、限られた人間としか関わらない中で、幼い頃から付き合いがあった二人が恋に落ちたのは、想像に固くない。
二人が十になったかならないかの、とある夜のことだった。屋敷―彼女は都の長の娘、青年はその付き人だった―に、火が放たれた。都の、村の各地にも放たれたそれは、地を建物を、人々を恐怖に陥れ、蹂躙するかの様に舐めるかの様に、その赤い舌を走らせた。燃え上がる、赤。故郷は一夜にして、阿鼻叫喚の木霊する煉獄と化した。
泣きわめき、父を母を、親しい人達の名を呼ぶ主にして恋人、彼女の手を握り、火の手から逃れ逃れさせる為に彼は、走った。『決してこの手は離さない』と、心に誓って。

翌日、都が一望できる丘から、彼らは見た。周辺の村共々に、彼らの故郷である村が、灰燼に帰した事を、理解せざるをえなかった。作り上げた関係、共に生きた人間、馴染み暮らした家、当たり前にあった日常―――全ては呆気なく、失われた。
その日から、二人は逃げ続けている。村を都を襲い、今も尚、少女を狙う者、その死角から―――――。



「――赤は嫌や。あの日の炎に似てるから」
でも、
「あんたのその目は、特別や」
朱色の目。移民の末裔が証のそれを、彼女は肯定してくれた。初めてあった日も。
赤が憎むべき色になった、あの日以降でさえも―――。
だから、俺は、
「…蜜柑、後ろだ」
「!うん」
青年の呟く様な声に、彼女が従いしゃがんだ途端―――
「っが、あ」
残像の残る中、その軌跡を描いた刃、長刀。
振るったのは青年。切られた男は、血を撒き散らしながら、黒装束をしどと濡らしながら、どう、と倒れた。
刃は、赤く光る。血のせいではない。事実として、夕日の様に、炎の様に。その刀は朱色に輝いていた。それを拭い、彼は鞘に収める。
「―終わった?」
顔を上げようとする女性―蜜柑の目を塞ぐ。そのまま背後から抱き締め、
「見なくていい」
と、呟いた。

だから俺は、君を守ろう。
君を今の苦しみに墜とした奴等から、守ってみせるから。
だから、今はあの木枯らしの様に、落ち葉の様に。
綺麗に舞って、優しく笑ってくれ。
俺が支えるから。
番の様に寄り添い、共に舞い、盾になるから。
だから今は、あの頃の様に、無邪気に笑っていいんだよ―――。
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