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第二十六幕 想イ出・3 彼女は問う







軋んだドアの音で現実に戻された。
男―松葉が充分離れてから棗は、ルカに下がるよう言った。
そして・・・。






ドッッカァァァーン!








少女は、己が明日『処分される』事を知っている。それを何とも思わない。死が怖くない訳ではない。
だけど、生きる意味とか希望とか楽しさとか喜びとか、知らない。だから、これ以上手を汚したくないから、痛みを知りたくないから―穢れたくないから・・・




 イッソ



                       終ワッテシマエバイイ―。







次の瞬間、爆発音がした。





もくもくと、あがる煙。
「ちょっ・・・棗!?あの子無事なの?」
顔を青ざめて聞く親友に。
「さぁ?」
ものすごく適当に、彼は返した。
「え・・・ちょっと待ってえええ!!?え?あの子助ける為にこれやってんでしょ?殺してたら本末転倒じゃん!?考えてよ!?」
彼のつっこみに構わず棗は、瓦礫を掻き分け進んで・・・。


出会った。

「・・・だ、れ・・・・・・・・・」




掠れた、ソプラノの幼い声。





繋がれた手錠足輪、首輪に付いた鎖も今の爆発で千切れたのか、途切れていた。
変わらず襤褸切れ同然のキャミソールを、傷だらけの体に纏っている。
生きているのが不思議なほどの大怪我を超える傷跡。
少しウェーブがかった黒髪だけが、まともに見えた。
そして。

その面を上げて、棗達を見据える、両の目。
深緑足る、翡翠色の瞳からは




圧倒的な―

              存在感と貫禄、意志を感じた。





それに飲み込まれそうになり、棗は頭を振る。
答えない少年達に、少女は当たり前のように聞いた。







「ねえ。


あなたもわたしをころすの?」







幼女の様に首を傾げ

妖女の様に不吉な言葉を

当たり前の様に、彼女は呟いた
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