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第二十二幕 不吉の影現われ、







「あ!翡翠や!どうしたん?急に棗に誘拐されて・・・」
「・・・だい・・・じょうぶ」




―棗がいなくなったのは秘密だ。きっと帰ってくる。




それだけを翡翠は願っている。
ひたすらに、祈るように。





「で。蛍とバチバチ火花散らしてるのは、誰なの?」
蛍と同じような、目と口だけのお面をつけた高等部の人と蛍が火花を散らしてる
「あれは、蛍のお兄さんで今井昴。高等部の生徒会、プリンシパルの元メンバーなんよ」
今は殿センパイと一緒で専科だから引退したけど、と蜜柑が教えてくれる。
「でも、仲悪そう」
「仕方あらへんよ。蛍のお兄さんは、まぁ色々あって五才でこの学園にはいってから両親と連絡とらへんし、
蛍とは仲悪いとかちゃうて、いびりあって―じゃれあってるもんやねん」
「・・・」
家族という概念を知らないが、翡翠はなんだか蛍が、羨ましかった。




そんな風に黄昏ていると。






『初等部B組の跡無翡翠さん、至急VIPルームに来なさい。繰り返す―』

不吉の影が、動く。








「翡翠・・・」

蜜柑が蛍が翼が委員長が心読みがパーマが美咲が鳴海がールカが、自分を見る。

『決断をするのは、君だよ』

そう言われた気がする。
「・・・」
俯き、深呼吸。
この場に似合わぬ。明るい笑みを浮かべ、静かに彼女は告げた。







「行ってきます」

翡翠も、自ら選んだ。
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